5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/12/31(火) 03:02:10.54 ID:6yBCWbRi0
エレベーターが目的の階に到着し、二人は通路を進む。
しばらく進んで、響は歩みを止めた。
「ついたー」
「…………」
貴音は思わず息を呑んだ。
先程感じた違和感が、確証のレベルとなって目の前に現れたからだ。
(明らかに、空気が張り詰めている……)
重いというよりは、その表現が的確だろう。ピリピリと肌を差すような気配が漂っていた。
(敵意……? でも誰が、心当たりがありませんし……)
「貴音、どうした? ちょっと顔が強張っているぞ?」
「え? あ、その、いえ……」
「はは、なんだ貴音ぇ、緊張してるのか? 友達の家は初めてなのか〜?」
「え、ええ、実はそうなのです……」
「別に緊張するようなことなんて何もないぞ〜?」
響は変わらず笑っていた。
(気付いてない……?)
こう見えて、我那覇響の勘がなかなかに鋭いことを四条貴音は知っていた。
だからこそ、これほどの気配を察知していない彼女に、貴音は首を傾げざるを得なかった。
(あるいは、私に限定されていたから……?)
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