過去ログ - 【オリジナル】Re.乙女合体ガチユリダー
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/31(火) 10:36:26.39 ID:QlURgqGAO
 それは、大樹のようにいくつも枝分かれして聳え立つ虹色の塔だった。
 暗い闇の海の中、それは幾つも建っていて……内から溢れる光の渦が、その上に新たな枝を作っていく。

 私は何時からそこに居たのだろう。
 一瞬か、永遠か、あるいは私は今そこに生まれたのか。
 そもそもそこに時間なんて物はない、私にとっての時間はあの塔の中にあって
 此処に住むものの時間は、私には難しすぎた。


 しかし、やがて私の手に暖かい物が触れた。
 細く、柔らかく、そして力強い、女の子の腕だった。

「後悔しないで下さい、諦めないで下さい……」 女の子は言った。

「これから貴女は大きな後悔を背負うけど、それを背負ってどうかここまで来て下さい」

 手に落ちた涙が伝わる。
 そのとき私は、自分が水の中にいることを知った。

「……ごぼっ」

 言葉を話そうとしても、気泡になって昇っていくだけ。

 女の子は、その手にリボンを持つと……私の手に渡した。 黒い地に薄紅色の桜をあしらった、綺麗なリボン。

「これは、貴女が返すものなんです」

 そう言ってどこかへ泳いでいく女の子に、私が手を伸ばそうとする。
 しかし体はどんどん浮いていき、やがて水面の空気に体が触れた。





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