38: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/05(日) 03:17:28.27 ID:vTLwVfM7o
文字通り、その場所は底だった。
この世界で一番深いところ。
わたしは、いつ閉じたか分からない瞼を開いた。
あたり一面、闇に覆われていた。
いや、正確な表現じゃない。
闇が横たわっていた。
わたしは闇の一部だった。
どこにあるのか分からない瞼を何度か動かしたところで、急激な加速を感じた。
どこかで声も聞こえる。
「――ん発見! 砲雷撃戦、よーい!」
誰の声だったかな、と思い出そうとする回路が一瞬だけ浮上して消えた。
こっちだ、となにかを確信した方向へ動く。
すぐ近くを、冷たい塊が飛んでいく。
空はどうやら、黒い色をしているようだった。
わたしが浮かぶのは、それとは少し違う、透明な黒。
その世界の端に、彼女はいた。
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