過去ログ - 解体された艦娘の話
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47: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/09(木) 04:23:49.73 ID:lzpX9+avo
「夢でわたしは魚雷を撃ってるの。
 いつだったかの戦いみたいに、なにも考えずに、ただ目の前の敵のことだけを考えて。
 それはとても気持ちよくて――」
 その通りだ、と思った。
 その瞬間に彼女の声がどこか遠くに追いやられて、わたしは夢に落ちた。
 現実が海に覆われて、わたしは敵の横へ回り込もうとした。
 くそっ、と敵が漏らした。
 言葉を返してあげようとは思わなかった。
 返してあげるべき言葉があるかも分からなかった。
 わたしが撃った砲弾が敵を突き飛ばす。
「ほら」と耳元で声が聞こえた。「分かるでしょ?」
 その瞬間に、現実に引き戻された。
 不知火がいる。
「わたし……」と声が漏れる。「今、どうしてた?」
「普通に受け答えしていたよ」
「本当?」
「うん。でもわたしは経験者だから、あなたが夢を見てたことも見抜けた」
「夢……」
「正確には、夢じゃないのかもしれないけどね」
 だとしたら最悪だ、と思った。
 考えない方がいい。それよりも――
「普通に受け答えできてたの?」
「身体は意識を必要としないのかもね」
「わたしなんかいなくても、わたしの身体はわたしを演じる……?」
「そういうこと」


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