過去ログ - 解体された艦娘の話
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50: ◆o1H7m0ryfo[saga]
2014/01/09(木) 04:27:42.07 ID:lzpX9+avo
 目が覚めたときには、わたしは病院にいた。
 付き添いに、見たことのある顔がいた。
 幼なじみに似た顔だった。
 彼は、散歩中に倒れてる君を見つけた、とのことだった。
 わたしが艦娘になる前に、よく馴染んだ顔だった。
 彼の顔をそうだと感じたことは、これまでに一度もなかったはずだった。

 なにか条件が変わっただろうか、と考えた。
 外界への認識に関わる、わたしの条件。

 ひとつズレが埋まったからだろうか、と思いついた。
 その夜と次の日を入院して、今日、わたしは退院した。

 帰ってから、彼のことを思い出そうとした。
 わたしは彼と親しかった。
 それは幼い頃の話だ。
 艦娘ではないわたしについての話。
 思い出せたのはそこまでだった。

 世界とのズレは、わたしが敵をひとつ沈めるごとに近づいていくのだろうか。
 ズレが、ずれる前のわたしを隠しているのだろうか。
 だとしたら……


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