過去ログ - 江ノ島「オマエラに最高の絶望を……」春香「ん?なんだろうこれ……」
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27:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/02(木) 16:37:31.86 ID:lUDlQDBw0

 ここはどこだろう?
 目が覚めて思ったことはこれだった。自分が萩原雪歩という名前だったことも憶えているので、記憶喪失したわけではないようだ。
 体の強烈な熱っぽさを感じて、不思議に思っているうちに、世界が暗転した。
 そして、目の前に、おどおどとしているあどけない少女がいる。
 ここに住んでいる人なのだろうか、それとも別のところからやってきたのだろうか。聞いてみたいことは山ほどあるが、何よりも勇気が出ない。どうしよう、そうしようと悩んでいるとき、その少女が口を開いた。

「あ、あのぉ……」
「ふぇえ! どうしたんですか?」
「僕、不二咲千尋です。えっと、ここはどこですか?」
「それ、私も聞こうと思ってました」

 彼女も概ね自分と状況は変わらないようだ。
 周りを見渡すと、ビルのような建物が幾重にも並んで建っている。それなのに人の気配が全くないのが、逆に寒気を覚えさせた。

「私、萩原雪歩っていいます」
「そっか……君の能力は?」
「の、能力!?」

 彼女はなんの能力を持っているのかと聞きたくなったが、全力で自分のことを考えた。アイドルとしてやっていけてるのは皆がいてこそだし、自分の得意なことと言えば……。

「お、お茶を汲むことでしょうか?」
「お茶? ああ、超高校級の茶道家ってところだね!」

 彼女はそう言って、ぱっと明るい笑顔を見せた。

「超高校級、ですか?」
「え? わからないのぉ?」

 彼女の嫌味を一粒も含まない口調に、こくりと頷く。おそらく彼女は雪歩がアイドルをやっていることも知らないのだろう。


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