過去ログ - 苗木「僕たち友達だよね」
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13: ◆3mkWmPxrCM[sage]
2014/01/04(土) 00:53:11.76 ID:HrDfDD7d0
葉隠「ぐ、偶然植え込みに引っかかって、擦り傷ですんだべ……」

苗木「いや、偶然なんかじゃないよ」

苗木(そうだ……ボクはなにを悩んでいたんだ。みんな少しでも会いに来てくれる。葉隠クンもこうして一緒にいれば今まで通りなんだ)

苗木(勝手に落ち込んで、壁を作っていたのはボクの方なんだ)

苗木(やっとわかったよ葉隠クン! こうして絶望に追い込まれて逃げている時、ボクは希望を信じている)

葉隠「まずいべ苗木っち! 黒服が追ってくるべ!」

苗木(影があるから光が大切だってわかるんだ。みんながいなくて、不運のないボクは、前を向くには後ろが必要だってことさえ忘れてしまっていた)

苗木「聞いてほしいんだ、葉隠クン」

葉隠「あ、後にするべ! わっ、追いついてきた。ひっ、殺さないでっ」

苗木「ボクはどっちかっていうと運なんて悪い方で、いつだって困ったことに直面してばっかりだった」

葉隠「悪かったべ……な、苗木っちだけでも逃げ――」

苗木「でもね。……『最悪』だけは、いつだって回避できていたんだよ。ボクの幸運は狛枝クンみたいにある程度制御できる幸不幸の振り子ではないけれど」

葉隠「な、苗木っち、お、おかしくなっちゃったんか?」

苗木「決して墜落はしない、大切なところでは失敗しない、みんなの仲間――超高校級の幸運なんだって!」

苗木「これで証明するよ!」


苗木(黒服へ向かって一歩を踏み出した途端、力を入れすぎたボクは転倒した。さらにどこからか落ちてきたコンクリートの破片が地面に跳ね返ってガンガンと頭に降り注ぐ)

苗木「いたた……やっぱりあまり運はよくないよね」

葉隠「な、苗木っち!」

苗木(葉隠クンはボクのそばまで駆け寄って、その先にある光景に絶句していた)

苗木(剥がれ墜ちた壁と、下敷きになった三人の黒服。ボクの頭に落ちてきたのは、そこから跳ね返ったごく一部だ)

苗木「な、なんとか無事だったみたいだね……」

葉隠「と、とりあえず助かったべ……」

苗木(そうだ。いつだってやり直せる、取り戻せるんだ)

苗木「そうだ葉隠クン。ボクを占ってほしいんだよ! ボクは今から、目的のために誰に会いに行けばいいのかを!」

葉隠「ま、まあかわないけども……。ムムッ、狛枝っちと江ノ島っちだべ! 俺の占いは三割当たる! ところで苗木っち、占い料は特別価格で九万円だべ」

苗木「うん、さっきモンスターを倒したからそれで払うね」

葉隠「モンスター? ……な、苗木っちなにしてるべ!」

苗木「なにって……倒したモンスターからのゴールド獲得だよ! はい」

葉隠「……まあ、金は金だべ。問題ないべ」

苗木「それじゃあ、ボクは狛枝クンに会いに行くよ!」

葉隠「お、おう……苗木っち、なんか大丈夫だべか?」

苗木「大丈夫だよ、葉隠クン。やっとボクにも希望が見えたんだ!」

苗木(絶望になんて負けるはずがないんだ)


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