過去ログ - サクラ「誰かを選ぶなんて……!」
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2:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/01/04(土) 09:13:32.54 ID:CQ9q8VX20
ナルトとサスケ君もただ捕まっているわけではなく、抜け出そうと必死にもがいていたが、何かの札を貼られて動かなくなった。二人とも意識はあるのに、地面に転がり喚き散らす事しか出来なくなった。よろめきながら繰り出す蹴りは簡単にかわされ、先生は私の目の前まで吹っ飛ばされる。

やっと我に帰り先生に駆け寄ったが、やっぱり私に出来ることなんて声をかけるぐらいだ。その声に答える余裕もないようで、先生はなんとか起き上がろうと地面から体を引き剥がしていた。

焦るだけで空回りする思考が突然、真っ白になる。胸に重い痛みを感じ、私は背中から固い地面に叩きつけられた。間髪を入れず、先生が踵落としを食らってそのまま踏み潰される。

男は先生の髪を掴むと、何が目的なのか二人の前までずるずると引きずって行った。止めに入ろうとしたけど、私は簡単に殴り飛ばされてしまう。人の良さそうな笑顔なんて微塵も残さず、醜く歪んだ笑みを私達全員に向けると、ほとんど抵抗出来ない先生に暴力をふるい始めた。



さっきまで、穏やかな空気が流れていたのに。そりゃ、カカシ先生の発言にはひきつったけど、それでも久々にみんなと一緒の任務だったのに。カッコいいサスケ君も、底抜けに明るいナルトも、ちょっと怪しいカカシ先生も、全員大切な仲間なのに。

私はまた何も出来ないのだろうか。動けるのは私だけで、私だって忍者なのにいとも簡単に蹴飛ばされてしまう。倒れ込む私の目の前で続く暴力は、忍者らしさなんて欠片もなくただ薄汚かった。

執拗に繰り返される打撃の鈍い音が響く度に、くぐもったうめき声が聞こえてくる。それでも先生は諦めず、踏みつけられながらもなんとか体を起こそうとしていた。そんな姿を嘲笑うように、深く沈み込む蹴りを放たれ、先生は激しく咳き込んだ。マスク越しに赤黒い血がボタボタと流れ落ち、地面に染み込んでいく。

その間も私は泣き喚きながら、何度も止めに入ったし、何度も札を剥がしにいった。でも何回やっても結果は同じで、私は馬鹿みたいに何度も地面に転がるだけだった。自分の方が大怪我してるのに、先生はその度に悲痛な目をして逃げてくれと声を絞り出した。

絶対嫌よ。そう言おうとした時、サスケ君達から禍々しいチャクラを感じて、ばっと振り返る。二人とも怒りで顔を歪め、自力で札の力に勝てるんじゃ無いかと思うほど、濃い殺気を感じた。先生は異様なチャクラの正体を知っているらしく、吐血しながらうわ言のように暴走するなと繰り返した。

ナルトは本当に悔しそうに顔を歪め、歯の隙間から泣き声を漏らしそれに従った。サスケ君も底光りする目で男を睨み付けるにとどまり、呪印が顔を覆うことはなかった。

私はと言うと、暴走させられるような力は一切無いので、何か行動を起こす度に惨めに殴り飛ばされた。


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