過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争 02」
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◆cvvZKri7SI
[saga]
2014/01/08(水) 14:28:04.95 ID:NVDGXRYwo
「まぁ、でも、うちには無理やで」
「そうなんですかぁ?」
そうや、と園城寺怜が頷く。
椅子から立ち上がり、外の景色を眺める。
ここからだと遺体を模ったテープのうち、上半身しか見えない。
下半身は駐輪場の屋根が邪魔してしまっている。
「……」
「うちがここで竜華と電話した時、他の皆もおってん」
「他?」
「せや。一緒にインハイ打ったメンバーや」
「なるほど」
証人、ってわけか。
「皆に確認すれば分かると思うで」
「ふぅん……」
恐らくは園城寺怜は、既に警察に似たような質問をされているだろう。
だとすると、嘘をつく可能性はあまり高くない。
仮に園城寺怜が犯人で、アリバイが欲しかったのだとしても、犯行現場からここまでの距離は恐らく十分ほど。
受付や廊下、エレベーターか階段を使ってここまで戻るのに誰にも目撃されない可能性など、ゼロと言って良いだろう。
それに、あの犯行現場と清水谷竜華の死因を考えるに、犯人は相応の返り血を浴びているはずだ。
そんな人間が病院内をうろついていたら、間違いなく見つかる。
ましてや、返り血を浴びた服を着替えたのだとしても、処分する時間も場所もない。
現場近く、或いは病院内で血痕のついた服が見つかっていない以上、園城寺怜を疑う理由は、現時点ではない。
「……」
或いは……。
リボンをくゆりながら、考える。
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