過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争 02」
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3: ◆cvvZKri7SI[saga]
2014/01/08(水) 14:13:05.20 ID:NVDGXRYwo

 携帯で連絡を取ろうと思ったが、あいつの連絡先を知らない。
 顔も分からない、名前も分からない、連絡先も分からないでは手のうちようもなく、非常に不本意ではあるが、ホームで待つくらいしかすることがなかった。

 引き換えして名古屋に帰ろうにも、反対ホームに行くのが面倒くさい。

 適当に椅子に座り、辺りをなんとなく見回す。

 土曜日の朝九時過ぎ。なんだってこんな時間に大阪まで来なくてはいけないのかという不満を抱いているのが果たして私以外にどれほどいるだろう。
 あのサラリーマンやあっちの学生などはきっとそうかもしれない。
 仕事か部活かは分からないが、どいつもこいつもご愁傷様だ。

 忙しそうに、あるいは面倒くさそうに皆ホームを右へ左へ歩く。
 その度に私が座るベンチを一瞥しては通り過ぎて行く。
 待ち合わせしている暢気な女子学生に見られているのだとしたら、相当に間違っている。

 私だって本来はこのクソ暑い八月─もうそろそろ九月になりそうだ─に、わざわざ日本一うるさい場所であろう大阪なんぞに来るつもりは毛頭もなかったのだ。

 しかも一回ならまだしも、二回も。

 できることなら折角の休日、部活に行くか一日中ベッドの中で包まっていたかった。
 その為に金曜の学校帰りに散財して食料を購入したと言うのに。

 ういろうに納屋橋まんじゅうに名古屋嬢にシャチナゴンに……。

 これらを一口ずつ食べるのが週末の数少ない楽しみだったと言うのに。

 あのナース服の電話さえなければ。




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