過去ログ - 対木もこ「私と荒川憩のカレーうどん戦争 02」
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8: ◆cvvZKri7SI[saga]
2014/01/08(水) 14:17:41.32 ID:NVDGXRYwo

「なんだよ」
「およ?」

 すっとぼけた声出しやがって。

「なんやもこちゃん、聞いとったんかぁ。ほんなら出てくれてもええのにぃ」

 出るつもりはなかったよ。
 お前があまりにうるさいから仕方なく出ただけだ。

「照れ屋さんなんやなぁ」

 下らないことを言ってないでさっさと用件を言え。
 でないと切るぞ。今度は電源ごと。

「もぉ、冷たいやんなぁ」

 お前が緩いだけだよ。

「ん……、」

 こほん、とナース服(かどうかは電話越しなので分からないが、まぁいい)が咳払いをする。

 少しだけ真面目な声になった。

「もこちゃん、インハイは観た?」
「……一応」

 好きで麻雀やってるからには、とりあえずは観るだろう。
 それに、今年のインハイは、何かと因果があるようだったから。

「……せやね」

 先月、今月と、インハイに関わる高校で続いて事件が起きている。
 そのため、今年のインハイは本来のラダーとは異なる進行もあって、何かと話題になった。

「……」
「……おい」
「ん、なに?」
「勝手に掛けてきて勝手に暗くなるな」
「あぁ、うん、ごめんなぁ」

 苦笑いを軽く聞き流して、そっと左目のリボンを触る。
 一人のときはついつい触ってしまう、嫌な癖だ。

 嫌なものは決してなくならない。
 欲しいものは手に入らないのに。




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