過去ログ - 【安価】京太郎「義姉さん達がどうしたんだ?」宥「Part23」
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707: ◆qV6dwdDny6[saga]
2014/01/13(月) 11:29:45.88 ID:wv7IAf0gO
選手控え室廊下

「照」

振り返るといつも通り彼がそこにいた。

「……久しぶりに飯でも行くか」

そう言って彼は立ち止まったまま私に聞いてくる。

「……お腹空いてない」

「そうか…」

沈黙が生まれる。彼は私を励ましにきたのだろうか?私はこれから先に何が起こるかを知らない。私の記憶はいつもここで終わっている。

「ごめんね、京ちゃん…負けちゃった」

自分でも驚くほどに簡単にその言葉が出た。1番知られたくない筈なのに私は彼にそう告げたのだ。

「知ってる試合を観たよ」

彼はそう言ってゆっくりと私に近づいてくる。いつも歩くスピードより少し遅い位のスピードで。

「ごめんね…約束を守れなかったや」

胸が熱くなる。皆と居ると時には何も無かったのに私の胸の中が段々と熱くなっていく。

「臨海の辻垣内さんと阿知賀の
松実さんが強くて飛ばせなかった」

顔が下を向く。言い訳だとわかっているのに言葉を紡いでいく。私はこの時に気がついた…私は負けた事が悔しいのだ。

「そうか」

彼の言葉がさっきよりも近づいてくる。全てを知ったあの時に誓った約束を私は果たせなかった。なのに彼は私に歩みよる。

「…本当にごめんね」

「バカだな…謝る事なんて何もないだろ」

彼はそう言って私を抱きしめた。いつもより少し強引に力強い。

「俺の方こそごめんな…3年間一人にして」

何を言ってるんだろう…白糸台を選んだのは私の意思だ。京君が謝る事なんて何もない。

「ずっと照が頑張ってた事を知ってた。あの約束の為だって事も」

抱きしめられる力がまた強くなるそれと同時に私の肩に水滴が落ちてきた。顔を少しあげると彼が泣いていた。

「俺も男子最強になったから…これで対等だ。だから泣いて良いんだ」

泣いて良い?私が?でももう流す涙なんて…

「感情を抑えなくていいんだ…もう俺達は鏡合わせじゃなくていいんだ。やっと…やっと俺は照に追いついた。もう頑張らなくていいんだ」

頑張らなくていい?でもそれじゃあ京ちゃんがまた独りぼっちになっちゃうよ?

「大丈夫だから俺はもう照の隣に立てるから。もうゴールしていいんだ」

「本当にいいの?」

意思とは反して口がうごく。


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