過去ログ - 咲の登場人物である染谷まこ及びその他の人物についての撰集抄
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45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/05/17(土) 03:11:19.08 ID:j7o85Q1Wo
@自己犠牲

染谷先輩が泣いていた。

染谷先輩、染谷先輩、どうして泣いているのですか、染谷先輩?

話を聞くと、仲が良い先輩と喧嘩をしたらしい。

すぐに仲直りできますよ、と声をかけても沈んだ様子で「そうじゃな」と生返事。

これはいかんと思った僕は一計を案じた。

良いですか、染谷先輩?

今日の夕方、学校近くの公園に先輩を呼び出して仲直りをするんです。

電話やメールじゃだめですよ、こういうのは面と向かい合うのが肝心なのですから。



夕方、染谷先輩が緊張した面持ちで佇んでいるのを近くの茂みに潜んで眺めていると、遠くから先輩が歩いてくるのが見えた。

程よい頃合いとみた僕は、目出し帽をかぶった後、一糸纏わぬ姿になると染谷先輩に襲い掛かった。

僕がここにいることは染谷先輩に伝えておらず、突然の出来事に驚いた染谷先輩は、きゃあ、と可愛らしい悲鳴をあげた。

襲い掛かるふりのつもりだったが、そのあまりの可愛らしさに我を失った僕は、役得じゃ役得じゃ、と叫びながら染谷先輩の胸をめがけて手を伸ばした。

「なにしてるのよ!?」

次の瞬間、先輩の鞄が顎を直撃し、僕はその場に崩れ落ちた。

朦朧とした意識の中、これで仲直りができると良いですね、と呟いた僕はややしてから闇に沈んだ。



事が落ち着いた後、あの時襲うふりをしたのは僕だったのです、とネタばらしをしてみたところ、軽蔑の眼差しで見られた。

ヒーローは報われないものなのだ、と思ったが、その軽蔑の眼差しにいたく興奮したので、結果的には十分に報われた。


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