過去ログ - 【モバマス】僕「僕のお姉ちゃんがアイドルになった」
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5:[saga]
2014/01/11(土) 22:56:43.33 ID:ZWMdCqF40
二つ目は病院だ。時々精神疾患から来る体調不良で入院していたのだが、ずっと入院しているらしい同年代の女の子がいて、時々話しかけに行っていたのだ。
 名前は、北条加蓮と言った。

加蓮「へぇ、君も入院してるんだ」

僕「うん。ちょっと昔から心が弱くて」

加蓮「心? 心が弱くて入院するの?」

僕「心、っていうか、そこから来る症状っていうか。目眩がずっと続いて立てなかったりもするんだ」

加蓮「へえ。君も大変だね……って、ちょっと簡単すぎかな」

僕「いや、ありがとう。君は?」

加蓮「君は……ああ、病気の事? ちょっと、心臓が悪くてさ。運動したりするとおかしくなっちゃうから、動けないように入院してるんだ。私、普通にいたらきっと動き回っちゃうから」

僕「よっぽど君の方が大変みたいだね……」

加蓮「いや、それほどでもないよ。もう慣れたから」ニコッ

僕「……」

加蓮「ちょ、ちょっと急にどうしたの? 心配させない為に言ったつもりなんだけど」

僕「これから、また来るから」

加蓮「?」

僕「毎日、ここに来るから。退屈にならないように、話も沢山持ってくるから!」

加蓮「え、あ、ああ、ありがとう……」

僕「……迷惑、かな?」

加蓮「ううん」フルフル

加蓮「私、ずっと退屈だったの。同じくらいの子と喋れるようになったら、きっとこんな生活も楽しくなる。それじゃあ、これからよろしくね?」

これがファーストコンタクト。随分前の話だ。暇だったから話し相手が欲しかった、というのは僕も同じだった。……下心も、それなりにあった。誰でもいいから、友達が一人でも欲しかったから。
しかしそんなやましい気持ちを加蓮の笑顔を砕いた。
 あれがきっと、僕の初恋だったのだ。
 しかし退院の時は訪れ、その縁は一度切れてしまう。
そのまま時間が経ち、何気なく入った教室の中。
そこで、僕は加蓮と再会する。

加蓮「ずっと、って言ったでしょ?」

 そう言って加蓮が浮かべた笑顔は、あの頃と変わらなかった。
 加蓮は一つ年上だった。
 どうやら、新入生歓迎イベントの委員として活動していた所、僕の名前を発見したんだとか。
 しかしまだ通院は必要らしく、週末はほぼ必ず加蓮の病室に行っている。
 僕の居場所は病院にあり、加蓮の病室にあった。



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