過去ログ - 男「お前、本当にアンドロイドなのか」AI「なんでんなこと聞くんだ?」
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◆NrFF2h.q26
[saga]
2014/02/12(水) 01:51:35.33 ID:8elwNQzRO
〜AI起動 730日目〜
AI「おーい男!空き部屋にこんなものがあったぞ!」
そう言いながら俺の自室にやってきたAIが、その手に持っていたのは。
男「……エレキギターだな。そんなに高そうなものではなさそうだが」
AI「うん。まぁ素人向けの物みたい。アンプもあったし、ほら、エフェクターもあるぞ」
男「誰かが暇潰しで持ってきたのか?作業員が単独になったのはここ40年程だしな」
AI「これまだ使えるかな……えーっと、このシールド?をアンプに繋ぐんだよな」
男「30年も経ってるなら、新品の弦でもダメになってると思うがな……」
AI「でもこれ、ちゃんと真空の保管庫にあった弦で張り直したから、大丈夫じゃねーかな?」
男「お前、楽器を扱えるのか」
AI「ふふふ、今時のターミナルケア専門コミュニケーション用アンドロイドにしてみれば、このくらい最低限の嗜みですよ」
男「ふうん……便利なもんだな」
AI「あ、大丈夫。まだ音出せるみたい」
AIの手にあるギターは薄い水色の、わりとひらぼったいボディのエレキギターだった。
ネックの先端にはフェンダーの文字がある。
音楽というのは、音源が簡単に流出してしまうようになってから、ライブなどのパフォーマンス重視になった。
とはいえ、根強く愛する人間は絶えず、むしろ火星の鬱屈とした箱庭に抗うように勢いを盛り返している。
昔から、音楽は何かを表現するためだけではなく、権威や世間に反抗するためにも生まれてきたものだから、当然かもしれない。
現在はよくヒットチャートに並ぶ音楽を聴くと、アンダーグラウンドの層が何層も重なっている。
AI「音楽って聴いてたのか?」
男「まぁな。英と会わなくなった後くらいからだから、お前は知らんだろう。昔の曲ばかり聴いているな」
AI「あ、千年くらい前のとかも聴くタイプか」
男「千年経っても残るほどいいものだって、分かりやすいだろ?」
AI「まぁ確かに」
AIは床にアンプを置き、俺の隣に座り太腿の上にボディを載せるようにしてギターを構えた。
そして一通りの調律を終えると、涙型のピックで撫でるように弦を鳴らした。
その慣れた手付きは素人目にはプロ同然に見える。
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