過去ログ - 男「お前、本当にアンドロイドなのか」AI「なんでんなこと聞くんだ?」
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20: ◆NrFF2h.q26[saga]
2014/01/19(日) 03:08:43.56 ID:NXXYlcGhO

AI「俺の人工知能によれば、この雪合戦は子どもの遊びの定番らしいな」ビチャァ

男「俺は初めてやったがな」ビチャァ

AI「……?日本国ドームの中の天候は統一されてるよな?一年を通して雪の降らなかった区画なんて無いハズだけど」

男「やらなかったんだよ、友達がいなかったから」

AI「……」

男「昔から人間が嫌いだったんだ。だから小さい頃からこの仕事には憧れてた。人間が誰もいない所へ行ってみたかったんだ」



AIはじっと俺を見ていた。
まるでカウンセリングをする心理士のように、俺の所作の一つを見逃すまいとするその瞳。
レンズで出来ているその瞳を見ていたら、不意に俺の口は止まった。
こいつも、この第二地球を開拓する機械と変わらない。
そんな相手に自分は何を言い出しているんだか。



AI「俺も嫌いか?」



黙り込んだ俺をどう思ったか、AIは特にこれといった感情を表さず、そう聞いてきた。



男「機械相手に好きも嫌いもあるか。お前だってそうだろ。お前は人間が好きか?嫌いか?」

AI「……」

男「おいおい、なに馬鹿正直に黙ってるんだ。嘘でも好きだって言っとけ。そんな冷徹な態度を取って、か弱いターミナルケアの患者がショック死したらどうする」

AI「……」

男「お?なんだ、アンドロイドでも怒るか?」



AIは少し不機嫌そうな顔で黙っていた。
そしてゆっくりと雪が降ってくる空を見上げた。
つられて俺も見上げてみる。
鈍色の空は腫れぼったく曇っていて、舞い降りる雪の白さはどこにも見当たらなかった。



AI「お前、絶対に雪合戦したことあるな。忘れてるだけで」

男「は?」

AI「だってかなり投げ合ったけど、なかなかの動きだった」

男「……意味が分からん」

AI「うん、まぁ適当だしな」

男「……」

AI「なぁ、俺、お前といくらでもこうやって悪口言い合えるし、ケンカも出来るぜ。何を言われても、何があっても、お前のことは絶対に嫌いにはならない。そういう思考プログラムだから」

男「……」

AI「いい加減寒くなってきたし、そろそろ中入らね?」

男「……腐ってもコミュニケーション用アンドロイドか」

AI「腐ってねーよ、現役だよ!」





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