過去ログ - 男「お前、本当にアンドロイドなのか」AI「なんでんなこと聞くんだ?」
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25: ◆NrFF2h.q26[saga ]
2014/01/19(日) 20:38:09.53 ID:NXXYlcGhO

〜アンドロイド起動 20日目〜




アンドロイドの俺が夢を見るのか?と男に聞かれた。



答えとしては、俺は夢を見ている。
一日の活動が終わってスリープモードになる時、容量削減のためにその日に得た映像や感覚の記憶データを圧縮して、人工知能に改めてインプットし直すんだ。
俺には一日の活動記憶を収めている短期記憶のメモリーと、それ以前の活動全般の記憶を収めている長期記憶のメモリーがある。
別々にメモリーを使用しているために、俺にも人間と同じように、記憶の整理整頓のための夢が現れる。


夢、と言っても人間の見るような夢ではなくて、その日一日に得た記憶の圧縮過程の映像だ
見てる時はどんな風に圧縮されていくのか覚えてるのだけど、圧縮時の映像は必要のない情報と判断されるから、起きる頃には俺の記憶メモリーから削除されてる。
だから覚えてはいない。



男「なんだこの映画……サッパリだな」



男はブツクサ言いながら立体映写機を止めていた。
忌々しそうに手元の小さな電子チップを見つめた後、乱暴にケースにしまっていた。



男「2000年代初期の2Dには致命的に迫力がないな……その絵画的な奥行きの無さがいいという映画マニアもいるが……立体映像の迫力には敵わん」

AI「その時代その時代で良い映像の在り方を模索してるんだよ。無いものねだってもしょうがないじゃん」

AI「それに俺はよかったと思うな。立体映像が撮れないからこそ、また違ったアプローチで映像の迫力を生み出そうとしてるワケじゃん。その試みが、今の立体的な映像よりも想像力を掻き立てられるっていうか」



男は俺の言葉にじーっと耳を傾けていた。
そしてやがて、立体映写機の電源を落とした。



男「俺、アンドロイドより感性が負けてるのか……?」

AI「確かに、お前はもっと情緒を持った方がいいぞ」

男「なに?」

AI「だから外行こうぜ、外」

男「は?」

AI「こんな所で閉じこもってるからダメなんだよ。前に風邪引いたのも、センターの中でだらけてるから身体がたるんでたんじゃねーの?」

男「……確かに最近腹が……」サスサス

AI「よっしゃ外行こう!外!」





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