過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】

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12: ◆y1N9qpFpt6[saga]
2014/01/13(月) 23:15:18.71 ID:Lr9tu8Nb0

洋榎「……ちょっと真面目な話してええか？」

絹恵「お、お姉ちゃんが真面目な話するん！？」

洋榎「うちやって偶にはするわー！ ……なぁ、去年の全校大会すっごい楽しかったよな」

絹恵「うん。お姉ちゃんが最後ギリギリでシュート決めたのは凄いカッコよかったし、ええ思い出や」

洋榎「そか、嬉しいこと言うてくれるやんか……うちが一番カッコいいと思ったんはな、キヌ、あんたが最後の試合の後半でシュート止めた時や」

絹恵「えっ！！ホンマに！？」

姉からお褒めの言葉を頂いた眼鏡の彼女の脳裏に、一年前の記憶が浮かぶ。

無我夢中でシュートを止めたあの時の全身の痛み、燃えるように熱くなった手。

彼女の中では最早感覚でしか覚えていないその記憶だったが、洋榎が褒めてくれると思うとなんだか凄くピカピカしたものに思えてきたのであった。

洋榎「ホンマやで……でもな、あの時思うてもうたんや。『もし、あの時シュートを撃ったのがうちやったらどうなってたやろう』って……」

絹恵「それは……つまり、オウンゴールというアレってこと？」

洋榎「違ぁーう！あの時もしうちが相手チームにおったらなぁ、って話や！」

絹恵「……もしそうやったら、そもそも去年私はベスト８になんかなれてないよ……」

それは絹恵にとって謙遜などではなく、事実だった。

この学校には化け物が多い。普段はお菓子食ってたり居眠りしてたり食堂でエビフライ食ってたりしてるような奴が、いざサッカーバトルとなると稲妻を轟かせ爆風でボールを吹き飛ばしたりする。

そういった人間達を相手にしなければならない『全校サッカーバトル大会』において、ベスト８にまで勝ちあがれたのはひとえに洋榎というエースストライカーと共に戦ったからであると彼女は考えていた。

だが――どうやら、姉の方は真逆の結論に至っていたらしい。

洋榎「それはちゃう！うちらのチームがあそこまでいけたのは絹、あんたのお陰や」

絹恵「いやいや、お姉ちゃんのお陰やって」

洋榎「いやいやいや、絹の……」

二人「……！ ……！」ﾑｷﾞｬｰﾑｷﾞｬｰ

終わり無き謙遜のぶつけ合いをする二人であったが、彼女達は知らない。

実は彼女達がベスト８になれたのは、個々人の力などではなく二人の絆と、それを合わせたかつてのチーム４人のチームワークが最も大きな要因であったことを。

そういったことを知らない彼女達はやがて、無駄な遠慮のし合いに彼女達なりの決着をつける。

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