過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】

↓ 1- 覧 板 20

32: ◆y1N9qpFpt6[saga]
2014/01/14(火) 20:53:53.97 ID:TGIDGZBY0

この世にサッカーバトルが生まれてからもう随分と経つ。

その間にたくさんの『必殺技』が編み出され、それらはフィールドを揺らし人々を興奮の渦に巻き込んだ。

――が、しかし。

サッカーバトルをする者全てが、その力を最初から何の苦労もなく得れたということはありえなかった。

『必殺技』という超ドハデ技の発生には、大きな個人差があったのだ。

愛宕絹恵は、そういった意味では非常に可哀想な子供であった。

幼い頃からサッカーバトル好きな両親に育てられ、さらに一歳違いの姉も非常に優秀な才能を持っていた。

当然そういった家族の中にいた彼女もまたサッカーバトルに興味を示したのだが、しかし『必殺技』の輝きは彼女にしばらく訪れなかった。

早いものはボールを蹴りだして三ヶ月で何らかの『必殺技』を会得し、またそうでない者でも一年と少しで得ることが出来た筈のそれを、なんと絹恵は三歳から中学の一年生になるまで得ることができなかった。

悔しいと思ったことは何度でもあった。サッカーバトルを辞めたいと思ったことも。

しかし、絹恵は諦めなかった。両親や親友が彼女の不出来を罵らなかったこともあるし、何より姉が必死にサッカーバトルをやる姿を見れば、諦めるなんて選択肢は頭からスッ飛んでいた。

運の良かったことは、彼女が『必殺技』を会得する為に肉体の努力ではなく他者の知恵を借りたことかもしれない。

――彼女が『必殺技』を覚えた直接のきっかけは、とある『秘伝書』からであった。

『秘伝書』。

その名の通り、『必殺技』のあれこれが書かれたものである。

その形態は自由であった。ハードカバーのものもあれば、文庫本のものもある。乱雑に書かれた手書きのノートの時もあれば、そもそも本ですらなくて紙切れ一枚の時もある。

しかし、それらに共通する特徴が一つあった――読んだからといって、必ずその『必殺技』を習得できる訳ではない。

プロが呼んでもちんぷんかんぷんのものを、小学生が読んで習得することもあった。

男子は誰一人会得できなかったものを、女子全員があっさりと覚えることもあった。

図体のデカい奴が古本屋に売り飛ばしたものを、チビが読んで強くなることもあった。

いわば『秘伝書』とはギャンブル要素の強い『必殺技』の習得方法であり、その為大抵は秘宝堂とかいう怪しい古本屋まがいの店に積み上げられているのであった。

<<前のレス[*]｜次のレス[#]>>

1002Res/810.07 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ