過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】

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637: ◆y1N9qpFpt6[saga]
2014/01/26(日) 21:43:31.08 ID:VdzIW9X70

『米子フウモンズ』。

鳥取県は北西部、米子の地域をホームとするサッカーバトルのプロチームである。

そのチームの特徴を一言で言うなら――最弱。どのぐらい最弱かというと、サッカーで例えるならガイナーレ鳥取(ファンの皆さんすみません)。野球小説で例えるなら、伊坂幸太郎の『あるキング』のキングスぐらいのものである。

とにかく弱い。弱い故、選手層が薄い。しかしそんな『米子フウモンズ』にも神様が微笑んだ日があり、それが三年前のことであった。

茶柱「い、一番最初は私の責任ではない！！『米子フウモンズ』が奇跡的に優勝争いに食い込めたことこそが、そもそもの原因だ！！」

絹恵「自分の所属してるチームに奇跡的って単語を使うんですか……」

三年前、何故か優勝争いに食い込むことに成功していた『米子フウモンズ』。しかしそこで不幸なことに、チームの名ＭＦが負傷してしまう。

そこでチームの関係者とファン達は落胆した。彼らは優勝を望んでいたのではなく――いやそりゃまぁ出来れば優勝したかったが、今までの経験則上ムリなのは分かっていた――『優勝争い』そのものを楽しみにしていたのだ。

そして次の試合。「もしかしたら奇跡に奇跡が重なって、凄い事になるかもしれんぞ」と思いながら米子にあるホームスタジアムに向かった『米子フウモンズ』のファンは――そこで、ドラフト１位で取ると噂されていた一人の男の姿を見た。

京太郎「俺もあの時の試合をリアルタイムで見てましたけど、カッコよかったですね茶柱さん。大歓声を一身に受けながら、フィールドに立ってんの」

ハギヨシ「まるでプロ初試合とは思えない立ち姿でしたね」

内木「(その時は『プロ』でもなかったんだけどね……)」

勿論、ドラフト指名前の高校生が特定のプロの試合に出ることは禁止である。しかし、『米子フウモンズ』はその禁止事項をやらかしたのだ。

「おいおい、そんなことできる訳ねーだろ」と思う方もおられるだろうが、そこは超次元である。

華麗な活躍を見せた茶柱はその試合、見事『米子フウモンズ』を勝利に導き――そして、彼とチームは双方ともキツイお叱りを受けた。

茶柱「結局私はプロの試合に無断に出たことの責任を受け、一回留年してしまったわけですな」

智葉「そもそも欠席数が多かったから、その影響でと聞いていたのだがな」

茶柱「ぐぬっ」

――これで終われば、ただのいい話である。しかしこの話には続きがあった。

『米子フウモンズ』のその試合を見たマスコミがこぞって報道をし、サッカーバトル協会はともかく人々の中ではそれが美談扱いになってしまったのである。

そして、一回いい評価を受けると二回三回と同じことをやらかすのが人間である。

絹恵「結局、次の年もその次の年も茶柱プロは同じように助っ人としてプロの試合に参戦。留年ばかりもさせていられない学校側は、仕方なく学生とプロとの二束の草鞋という前代未聞の方法に至った――」

数絵「そういう人がこの大会に出るって、ある意味卑怯ですよね」

茶柱「ぐがッ！！ ……す、好きにいえばいいだろう。私はこんなもんでも一応学生だ、だからちゃんとこの大会にも出る！何が悪い」

蒲原「(そりゃ悪いだろー……)」

とはいえ、こんな所で彼の罪を断罪していてもしょうがない。

茶柱は勢いよく立ち上がり、ついでに周りの『漢組』の連中も立ち上がった。

茶柱「とにかく！！今日は『リベンジャーズ』とは格が違うということを教えてさしあげ……」

？「ちょっと待ったー！！」ﾊﾞｰﾝ

話があっちこっち行って中々格の違いを見せ付けれない茶柱。

今度は『第四練習場』のドアを強引に開ける者達によって、妨害されたのであった。

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