過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】

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870: ◆y1N9qpFpt6[saga]
2014/01/31(金) 00:02:51.23 ID:x40eQi2X0

博士「おっと！それは困る……しかし、いいですか皆さん。よく考えてもみてください。この『化身一発』はあなた方に関する、他の問題をも解決できる可能性を秘めているのです」

怜「他の問題……？」

博士「そう！例えば園城寺さん、アナタです」

ビシリ、と怜のことを指差しながら爬虫類の男の口が蠢く。

博士「アナタは今医者に通院しており、中学生時の七割も力を出せていない」

怜「なっ……何でそのことを……」

博士「しかし、この『化身一発』を飲めばその問題は解決する……『化身アームド』は運動による体の負担を和らげることができますからね」

怜「……」

怜はこの時点でいくらでも眼前の男に言い返すことができた。しかし、それをしようとはしなかった。

何故なら彼が言ったことは全て真実であり、またその解決法の一つとして『化身アームド』が存在することは、確かに真実であったからである。

博士「次、清水谷さん。アナタはそんな園城寺さんのサポートに回らなければならないという理由から、かつての攻め中心だったプレイングを封印している」

竜華「……！！ちゃう！別に私はそんなつもりでディフェンスになった訳じゃ……」

博士「分かっております……しかし、アナタには夢があった筈だ。園城寺さんと共にツートップで相手前線までブチ上がり、華麗にゴール！！」

博士「しかしそれは既に叶わない夢だ。園城寺さんは病の為不調、そしてアナタもまた……その夢を叶えるには、あまりにも長い時間が必要だ」

竜華「……」

どこから調べたのかは知らないが……これもまた真実であった。

竜華は、思わず黙りこくってしまう。

博士「花田さん。アナタはプロ入りを強く志望している……いやいや、そうではありませんね」

煌「……」

博士「実際の所、アナタが必要としているのはサッカーバトルの優れた実力ではなく纏まった収入です」

煌「！！」

博士「決して金持ちとは言い難い一家の長女として生まれたアナタを、両親は快くここりつべ高校に送り出した」

博士「溢れんばかりの素晴らしい愛情に感謝しながらも、アナタは確かに罪悪感をも感じていた……いつかは必ずその恩を返さなければ成らない」

博士「しかしりつべ高校はバイト活動などは一切禁止であり、早く卒業できる日を心待ちにしている……宜しい！この問題に関しては非常にたやすく解決できます！」

博士「この『化身一発』のテスターになりさえすれば、いやこの力を使ってプロになれば我々の研究所からもアナタへの支援金をお渡しします……これで、三人目」

白衣の男は、そこで三人を見た。

三人は黙っている……『化身一発』を飲むかどうかで悩んでいるのではない。

彼の言葉が全て真実であり、またそれらの問題の解決策として「『人工化身』の力に頼る」というものが追加されたことに対しての困惑によるものである。

そして――その困惑は、今まさに『人工化身』への肯定と否定との間を揺れ動いていた。

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