過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】

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935: ◆y1N9qpFpt6[saga]
2014/02/01(土) 23:31:20.63 ID:ypzkB1F/0

絹恵「すいません、わざわざ手伝ってもらって……」

智葉「何、別にいいさ……というか、私もお前と同じだからな。やることがなくて、手持ち無沙汰になっていたんだ」

購買で買ったビニール袋に入れたジュースをがさがさと運びながら、絹恵と智葉は共に道を歩く。

二人は会話こそ交わしていたものの、実際のところそれは「相手と話したい」というよりもむしろ「話さなければ、すぐにあの『人工化身』のことを考えてしまう」からであった。

要するに気分を紛らわせる為のものだったが――それはお互いに暗黙の了解の上のことであった。

絹恵「(でも正直、初めて見た……辻垣内先輩がここまで困っているところ……)」

智葉「……」

眼前にいる勇ましい武人のような彼女が、会話をすることで気分を紛らわせることを望むなんて今までには無かったことである。

つまり、それほどまでにありえない事態だったのだろう。『化身アームド』があれ程までに大きく形を変え、さらには威力が向上することなど。

絹恵はそう思い――少しの沈黙の時間ですらも、考えをそちらの方に向かわせていた――智葉に向かって言った。

絹恵「……やっぱり、『化身アームド』の進化なんてありえへんことなんですか？」

智葉「……さぁ、な。私にも分からない。何せ私のアレは、高校入学と同時に封印してしまったから――おそらく今出しても、あの『人工化身』に勝てもしないだろう」

絹恵「そんな……」

弱っていた。

明らかに、辻垣内智葉は弱りきっていた。肉体ではない。サッカーバトルの実力でもない――精神が。

絹恵「(そんなにショックやったんかな、『人工化身』に負けたんが――いや)」

そうではないな、と絹恵はその考えをすぐに打ち消した。

根拠は無いが、おそらく敗北がショックだったのではない。智葉がショックを受けているのは、もっとまた別の――。

？「……おや、いい所で会いましたねぇ」

絹恵「え」

突然掛けられた声に反応して、絹恵が思考を中断する……気づけば彼女達の目の前に、見知らぬ白衣の男が一人いた。

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