過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】

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941: ◆y1N9qpFpt6[saga]
2014/02/01(土) 23:54:51.60 ID:ypzkB1F/0

？「努力のできない、能無しですって？」

智葉「お前はそうではないのか？夢だけは一人前に大きく『サッカーバトルの選手になりたい』と言っている癖に、結局上達しなかったの一言で自分の努力不足を棚に上げる……」

智葉「その上、他のお前のような怠け者達を救済してやろうと勝手に考えるなど……面の皮の厚さが透けて見えるな」

？「……へぇー。つまり、アナタはこう言いたい訳だ。実力の無いやつはこのスポーツをやる権利すらない、と」

智葉「ああ、そうだ……但し、少しだけ違う。お前らのような人間に無いのは実力じゃなくて、努力だ……後、努力を続ける根性もか？」

絹恵「(ヤ、ヤバイヤバイ……)」

目の前の男が爬虫類のような目を見開いて怒りの感情を露にするのを見て、絹恵は一人焦っていた。

智葉は先程からそんな様子を気にすることも無く、真顔で彼を煽りまくっている。

智葉「いいか……夢というものを実現しようとするにはな、それ相応の対価が必要なんだよ」

智葉「プロのサッカーバトル選手になろうという人間はこの世には腐るほどいる。その中で何人が、血のにじむような特訓をしていると思う？」

智葉「……全員だよ。全員、朝から晩まで死ぬほど練習するんだ。それなのに……努力も出来ない人間が実力がつくわけがないだろうが！」

？「フン、何を言い出すかと思えば……努力が全てですか？違うでしょう？アナタのような人間には分からないでしょうがねぇ、こういったスポーツは才能によってある程度決定されて」

智葉「いない」

？「はぁ～～～～～？？」

智葉「お前はつくづく愚か者だな。サッカーバトルの世界人口は既に5億を超えるところまで来ている。過去千年を合わせれば凄まじい量になるだろう」

智葉「その中でプロの選手もまた、同じように莫大な数いる……どこかの大国の人口なんてゆうに超えるだろうな」

？「……」

智葉「それで……お前に聞きたいんだが。彼らは全員才能があったのか？」

智葉「過去千年探してみてプロになれるぐらいの実力を持った人間は、揃いも揃って才能の加護を受けていたと本当に思うのか？その数は億を超えるというのに、彼ら全員の優れた実力を全て才能という言葉で片付けるのか？もしそうなら、随分馬鹿みたいに多い才能だな」

？「……千年間なら、億単位でも不思議ではないでしょう」

智葉「そうか？私はこう考えるほうが自然だと思うがな……そのプロの人間達の中には、いや天才と呼ばれる人間達の中には、確実に気が狂う程の努力をした人間がいる」

絹恵「……」

そう語る智葉の姿を見て、もう絹恵は一人で焦りを感じなかった。

彼女はむしろそこに、ある一種の哀しみさえ感じていたのである。

絹恵「(『ゴッドファイブ』……選ばれし天才達、ね……)」

彼女達は果たして何に選ばれたのだろう。才能か、神か――。

絹恵「(もしかして、先輩はこう言いたいんとちゃうんかな……『自分たちは神に選ばれた訳でもなく、ただ努力だけでここまで昇り詰めたんや』って……)」

だからこそ彼女達は『化身アームド』を封印し、そして今もまだその力に頼らず努力を続ける。

それは実は『化身アームド』の危険性云々よりも先に、才能や神に好かれていると言われる彼女達の、そういった『何か』に対する本気の抵抗なのかもしれない。

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