過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】

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946: ◆y1N9qpFpt6[saga]
2014/02/02(日) 00:49:03.17 ID:pe0hXGW+0

２：いつだって、楽しかった訳じゃない。絹恵は言った。

絹恵「そりゃあ……私だって、いつでも楽しかった訳じゃないよ」

ロボ１「どういう、ことロボ？」

絹恵「だって、試合に負けると悔しいし落ち込むし、練習は大変やし……しかも『化身アームド』みたいなんには何か勝てそうにもないし」

絹恵の頭の中に、様々な情景が駆け巡る。

いつだって楽しかったなんて、そんなことはない。むしろ楽しくない日々の方が多かったかもしれない。

ロボ２「じゃ、じゃあ……何でサッカーバトルやってるロボ？やっぱり、努力の後に達成があったからロボか？」

絹恵「ううん……」

確かにそれもあるかもしれない。たくさん努力して、その上で何かの試合に勝てることは楽しい。

しかし今、彼女の胸中を占めるのはそれよりもむしろもっと別のものだった。

絹恵「もっと単純な理由や……私は、逃げたくなかっただけなんや」

そこで、絹恵はニッと笑って見せた。

逃げたくない。そう、ただそれだけだったのだ。辛い練習にも、スポーツ独特の理不尽さにも――そして、勝てないとすら思える相手にも。

全てから逃げたくなかった。逃げるのはカッコ悪いし腹が立つし、何より……彼女の愛しの姉もまた、そういった困難から逃亡することはなかった。

絹恵「めっちゃしょうもないって思うかもしれへんけど、ホンマにこれだけの理由や」

ロボ３「逃げたく、ない……」

絹恵「そ。負けたり失敗すると悔しいやろ？その怒りが、私をもう一回サッカーバトルに向き合わせてくれるんや」

ああ――そうだったのか。

その時、絹恵は思った。自分が誰も習得できなかった『いかりのてっつい』を習得できた理由。それは正に、こういった理由からだったのだのかもしれない――。

ロボ１「そっかあ……悔しいから、そんなにやり続けてこれたのかロボ……よし！分かったロボ！」

ロボ２「それじゃあ我々はもう行くロボ……『リベンジャーズ』！ありがとうロボ！今度は、今度は――試合で！」

絹恵「……うん！」

こうして、ロボッツは己の迷いに一つの答えを出した。

その解答が正しいものだったのかは知らないが――しかし、愛宕絹恵はその時、確かに自分の今までの人生を総括した答えを出していた。

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