過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲だ】絹恵「サッカーバトルや！」洋榎「イナイレのやな」【安価だ】

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964: ◆y1N9qpFpt6[saga]
2014/02/03(月) 00:10:26.98 ID:Q1Q96tww0

――PK戦開始からしばらくの沈黙の後、唐突に憩が足を振り上げた。

振り上げた右足に、炎がまるで剣のように纏われる。その姿はどことなく、智葉の『伝来宝刀』にも酷似していた。

憩「『マキシマムゥ――ファイアァァーッッ』！！！」

そしてそのまま、足に纏った爆炎ごとボールを蹴り飛ばす。

足よりもむしろ業火に押し出されるような形で、ボールが高速で煌の元へ向かい――。

煌「――」

それを、煌は両手と背後から伸びる一本の貧弱な手で止めようとした。

手にやってくる衝撃、徐々に下がっていく体。明らかに、これだけでは力不足だった。

煌「(やっぱり、これじゃ駄目なのかな……いやッ！！)」

煌は諦めなかった。

絶対に、何としてでも、このシュートを止めたかった。

煌「一本じゃ駄目なら、二本……」

黄金の手が、彼女の背中から一本現れボールを止めようとする。

だが、これでもまだ足りない。

煌「二本じゃ駄目なら、三本……三本じゃ駄目なら、四本……」

それは、一見すると異常な光景であった。

明らかに止めきれない筈の憩の『マキシマムファイア』を、煌が一本、また一本と黄金の手を放って止めようとする。

煌「まだ駄目だ、まだ駄目だ、まだ駄目だ、まだ駄目だ……！！」

憩「こ、これは……！」

煌「もっと！！もっと増えろぉぉぉぉ――ッッ！！！

『必　殺ッッ！！！
　　　　　　　ム　ゲ　ン　・　ザ　・　ハ　ン　ド　ォォォォォッ！！！』」

いつしか無数の掌が、包み込むようにしてボールを押さえ込んでいた。

花田煌はこの日、二度ならず三度までも『ゴッドファイブ』のシュートを止めたのであった――。

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