過去ログ - 川島瑞樹「今はまだ『川島さん』で我慢してあげる」
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以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/15(水) 01:34:54.04 ID:54l9mAuh0
「え〜、酔ってませんよ〜? 酔ってませんよねぇ?」
などと益体もない事を(投げ遣りに)考えていると、ちひろさんがとうとう見えない世界の住人と交信を開始してしまった。
俺と川島さんのちょうど間くらいに居るらしい誰かに向けて同意を求めているのは、本当にそこに誰かが居るのがちひろさんには見えているのか、或いは俺か川島さんがそこに居ると勘違いしているのか、或いは何も考えていないのか、本当の正解は分からないものの、一つだけ分かる事がある。
「あ、これは寝ますね」
「は?」
俺の突然の宣言に、憮然とした様子でウィスキーを飲んでいた川島さんも驚いたように眉を上げる。
「この目の半開き具合とか、見えない誰かに同意を求めだすのは、もうすぐ寝るサインです」
まぁ、何と言うか単純なことだが、過去こういう状態になったちひろさんは必ず寝落ちているという実績がある。寝ている人間を運ぶのは結構な重労働なので、できればその手前で踏み止まってほしかったのだが、まぁ今日は川島さんもいるわけだし、いっそ寝てくれたほうが楽かもしれない。
「本当に慣れてるのね。毎回こうなの?」
「寝るまで行くのは珍しい方ですけど、大体こんなもんです」
「寝ませんよぅ、まだ苺のシャーベット食べてません」
「シャーベットは今度にして、もう寝ちゃってください。年末年始の調整やら何やらでお疲れなんですから」
「ん〜……」
そういうわけで、まるで小さな子供のようにぐずるちひろさんを何とかあやしつけると、あっさりと夢の世界へと旅立ってしまった。
「ね、本当〜に、付き合ってないのよね?」
「そういうのじゃありませんてば」
その様子を見届けてから、川島さんは目を細めながら俺をじっと見る。今日だけでそれを聞かれるのは何度目だろうか。
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