過去ログ - 川島瑞樹「今はまだ『川島さん』で我慢してあげる」
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20:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/15(水) 01:36:03.67 ID:54l9mAuh0
「もうお互い、そういう風には見れないんですよね」

それに対して、俺は笑いながら手を振って否定する。笑ってしまったのは、まぁ俺とちひろさんが妙なとこまで来てしまったなぁという実感からだ。

「そういうものかしら?」
「まぁ、結構長いこと一緒に事務所回してますし、今更ですよ。そういう対象というよりは、もっと深いところにはいっちゃうんですよね、もう」
「家族みたいなものってこと?」
「そんなところです。お互い遠慮するところと、しないところ、はっきり線引きも終わっちゃいましたし」

お互いの事を知りすぎているし、知りたくない部分についてはお互い不干渉を決め込んでしまっている。もはや、親しすぎて恋愛対象として見る事はできないんだろう。家族、という表現は少陳腐かもしれないが、最も近い関係で表すならば、やっぱりそうなってしまうのだろうと思う。俺にとってちひろさんは、傍にいるのが当たり前になっているし、そうでなければ不安になってしまうほど、近くなり過ぎた相手なのだと思う。

「ふぅん……私達もそうなってしまうのかしら?」
「俺としては、皆のことをそう見ているつもりです」
「……やっぱり、聞いてしまうわ」

俺の言葉に、川島さんは手の中でウィスキーのグラスを遊ばせながら、表情を強張らせる。

「どうして私は『川島さん』なの?」
「どうしてって……」

そして俺の目を真っ直ぐに射抜きながら、俺と川島さんの間に横たわる些細で、そして重大な問題を突きつけてきた。


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