過去ログ - 【安価】京太郎「義姉さん達がどうしたんだ?」玄「Part24」
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◆qV6dwdDny6
[sage saga]
2014/01/19(日) 20:17:20.07 ID:534YbQGIO
「見捨てないで…お願い」
謝罪よりも先に私はその言葉を口にした。頭ではわかっているのに言葉にならない。言葉を発したら全く違う本音がでてしまう。
「……頑張るんだろ?一人で」
彼は冷酷だった…いや、私が馬鹿だったのかもしれない。思えばまだ出会って二ヶ月も経っていない。一回デートした位で彼の中では私の価値など女友達なのだ…私が想っている程に彼が私を想ってくれている訳がないのだ。
「違うの…ネリーは、ネリーは…」
「何も違わない。俺に嘘をついて頑張るって言ったんだ…頑張れよ、一人で」
身体が震えているなかで私は彼に向かって歩き始めた。違うの、本当に違うの…ネリーはハオにしたみたいにして欲しかっただけなの…
全部壊して欲しかっただけなの!
「許して、京太郎…ネリーを助けてよ」
「嫌だ」
彼は表情を変えないままこちらをみている。あと数歩でわたしは彼に辿り着く。
「どうしたら助けてくれるのかな?」
「何があっても俺はネリーを助けない」
彼の言葉を聞く度に身が震えて冷や汗をかく。私はこんなに依存していたのか…
「そんなの嫌だよ…」
あと四歩。私と彼の距離はそれ位に縮まっていた。
「嫌じゃないだろ。頑張るんだろ?なら頑張れよ」
彼はその場から動かない。私を見上げてるその視線に感情は篭っていない。
「………ないよ」
あと三歩。私は小声で言ってはいけない事を紡いだ。
「聞こえないな…はっきりと喋ってくれ」
「……ばれないよ」
あと二歩。私の中で大切な何かが崩れ落ちていく。私が言葉を放つたびにそれは私に返ってきて確実に壊していく。
「…聞こえない」
「頑張れないよ…」
あと一歩。私はついにその言葉をはっきりと宣言してしまった。身体から力が抜けていくのが解る。ダメ…このままではネリーはまた弱くなってしまう。
「誰が頑張れないんだ?」
私はその言葉を聞いて気がついた…彼はわざとそう言っている事に。そう考えると私はゾッとする反面に喜んでいた。ハオが言っていた事は正しかったのだから。
だから私は言ってしまう。
「ネリーはもう頑張れないよ…京太郎」
そう言った直後に全身から力が抜けていく。薄れていく意識の中で私は誰かに抱きしめられたような気がした。
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