過去ログ - フィアンマ『安価で人生をやり直したい』
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167: ◆oaboKSAYMBw5[saga]
2014/01/19(日) 14:28:05.83 ID:3xaB4YU60
【結果:肉体乗っ取り】


「………」

青年が、彼らしからぬ笑みを浮かべた。
そうだ、自分はこの口でシルビアに言っていたじゃないか。

『人生をやり直したい』

そう、はっきりと。
そして、彼女に約束したのは、オッレルスを目覚めさせることだ。
なら、『中身』なんてどうでもいいはずだ。
人が見ているのは外殻なのであって、中身など後からいくらでも調整出来る。
極端な話、シルビアはオッレルスが記憶喪失になったとしても傍に居るだろう。
だとすれば、『中身』が自分にすり替わっていても、傍に居ようと考えるはずだ。

「………そうだ。俺様は、そもそも善人なんかじゃない」

自己満足で救った。
後は自分の手柄にしてしまっても問題ない。

「……ん…」

シルビアが、目を覚ました。
そして、自分の姿を見て目を見開く。

「目、覚まし…ッ! そうだ、あの赤いヤツはどこに…?」
「赤いヤツ?」
「ああ、あんたは知らないんだったか…。失敗…? 
 いや、でも目を覚ましてるってことは、此処に居ないだけか……」

どうやらシルビアは、自分がオッレルスを目覚めさせた後に何処かへ消えたと思っているらしい。

勘違いしているのなら、そのままでいい。
どのみち、『右方のフィアンマ』ともう一度出会う必要などないのだろうし。

「医者に言ってくる、」

シルビアは立ち上がり、慌てて病室を出て行く。
フィアンマは鏡を見ながら、自分<魔神になり損ねた男>に対して、宣言する。

「俺様を信用したのが運の尽きだったな?」

『汚染』が抜けたからか、オッレルスの人格が言葉を返してきた。
自分がこの肉の器に在留する以上、彼は表に出てこられない。

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