過去ログ - フィアンマ『安価で人生をやり直したい』
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/02/01(土) 21:39:16.22 ID:hS/vixzP0
一瞬の沈黙と、間合いの再計測。
その直後、大爆発が起きた。
爆発させることしか能がないのか、とフィアンマは目を細め。
しかし、目的の違いに気がついた。
酸素がない。
呼吸が、ままならない。
「――――、」
息を止めたまま、トールが間合いを一気に詰める。
得体の知れない彼の左手が、自分の近くへ振り下ろされようとする。
「……、…」
足元の記号を用い、『天使の力』を呼び出す。
自分の魔力は、『呼び水』程度の量で良い。
かつて『神の右席』時代に扱っていた術式の、その一端。
足元から、葡萄酒が溢れた。
『聖なる右』の奇跡の一つ。
それは、ひどくアルコール濃度の高いものだ。
右手を振る。
アルコール分が燃え、気化し、ようやく回復されてきた酸素を喰い尽くす。
そのあたたかなオレンジ色の炎は、真っ直ぐにトールへと射出されている。
「は、」
火柱を回避し、トールの拳がフィアンマの腹部へ差し込まれる。
ぐぐ、という衝撃と、鈍い痛み。
「……残念だが、」
空気の成分が、徐々に元に戻る。
自身の腹部にめり込んだ怪力の手を握り、フィアンマはうっすらと笑む。
「俺様の今の身体は特別製なものでな」
常人の十倍を誇る耐久力。
身につけた霊装の調和によって怪力を得ているトールの拳を受けながら、彼女は血液の一滴すら吐かない。
天使の力を集約する。
天上より引かれる弓矢に、トールは眉根を寄せる。
このまま腕を掴まれたままでは、矢を穿たれて重傷と敗北は必至。
「…降参するか? ……トール」
扱う術式と霊装から彼の名を看破し、フィアンマはそう問いかけた。
ギリギリと、限界いっぱいまで、天使の弓矢は引かれている。
「
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」
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