過去ログ - フィアンマ『安価で人生をやり直したい』
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661: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/02/13(木) 21:41:11.37 ID:F9bpAotw0

苦しい。

踏み出せばこうなってしまうのではないか、とわかっておきながら。
自分はその先に進みたくて、一歩進んでしまった。
十字教の原初の男女のように、罪はこの身を灼く。

「…私、が」

結果をそのまま受け入れるのは嫌だった。
彼女のせいにしてしまうのはもっと嫌だった。
運や世界、常識のせいにしてしまうのも良くないと感じた。

「魔神、だから……」



――――無限の可能性。

それが『負』に傾いてしまっただけのこと、とオティヌスは自分に言い聞かせる。

「……なら整えれば良い」

呟く。
夕暮れの中、空を見上げる少女に、少年が声をかけた。

「あれ、あいつは?」

振り返る。
雷神トールだった。

長い長い金の髪を揺らし、彼は首を傾げる。
フィアンマと一緒に居ないオティヌスに違和感を覚えているようだった。

「ちょっとしたお別れだ。私に目的が出来たからな」
「目的?」
「今の私は諸事情で不完全でな」
「?」
「…そうか、言い忘れていたな。……私は魔神だ。魔神、オティヌス」

わずか、トールが目を瞬く。

「そして、無限の可能性に縛られる中途半端な魔術師だ。
 どんな事柄にも成功と失敗が半々でついて回る」
「厄介だな」
「そうだ。…私は今日より、それを克服することにした」
「へえ。あいつはそれが気に入らなかった…って感じか」
「……巻き込むつもりはない。……雷神トール。お前に手伝って欲しい」
「可能性の克服?」
「ああ、そうだ。…その過程、道道において敵が現れるだろう。
 私の目的に敵対する程の強大な敵が。悪い条件ではないはずだが、どうだ」





>>+2のコンマ一桁が『7』以外でトール承諾


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