過去ログ - フィアンマ『安価で人生をやり直したい』
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681: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/02/15(土) 12:36:53.51 ID:yPUXRhxc0

『世の中は思うより、簡単で単純な事も多いことよ、フィアンマ』
「……」

腑に落ちない表情を浮かべるフィアンマに対し、彼女は続ける。

『そこで身を引くことも懸命だけれども、』

慎ましさは、十字教徒の美徳だ。

『元居た場所に顔を出しに帰るだけでも、面白いと思うわよ』

フィアンマの政治的手腕はずば抜けていた。
フィアンマが居なくなると同時、ローマ正教の隙はひどく増えていた。
漬け込まれたり、奪われたものもいくつかある。
ローラはそれを知っていて、だが、何もしなかった。
というよりも、イギリス清教のトップである彼女が干渉してしまうのはおかしい。
バランスの崩壊は、やがて争いを生む。好意だろうが悪意だろうが、発露した原因に関わりなく。

『このまま時代が進めば、遠からず争いが起きたるわ』
「……大袈裟なヤツだ」
『冗談や嘘の類ではないわ』

手段に破壊や圧迫というものが含まれていたとしても、フィアンマのやり方や指示の結果は平和を生んでいた。
それは彼女が望むタイミング外で戦争が起きると困るから、であったのだが、ローラは知らない。

「今の体では『神の右席』には戻れん」
『努力していないだけでしょう? そもそも、貴方の所有する"力"は失われない。戻れないということはない』
「……」

事実だ。
くしゃ、と赤い髪を掻き、フィアンマは起き上がる。

「……まあいい。俺様も、あの魔神を探さねばならんしな」


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