過去ログ - フィアンマ『安価で人生をやり直したい』
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691: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/02/15(土) 14:10:29.09 ID:yPUXRhxc0

「唖然。……とは言わぬ」
「ほう」
「それでようやく彼女が普通の生活を送れるようになったならば」

救いに意味はあるのだ。

「そこが、スタートラインなのだからな。
 彼女との記憶は、それから作ればいい」

かつて過ごした温かい時間に意味などなかった、などと言うつもりはない。
けれど、再生出来なくたって、新しく作っていくことは出来る。
後ろを振り返ることをやめて前に進んでいけるのは、人間の権利だ。
手遅れだなんてことはない。

また。

『先生』と柔らかな笑顔で呼んでもらえる日がくれば、報われる。
少なくとも、過去そうして自分を慕ってくれたたった一人の少女が地獄から抜け出したら、それでいい。

「……そうか」

後ろを振り返り、下を向いて階段を作る生き方をしてきたフィアンマに、その気持ちはわからない。
だが、賛同してやることは出来る。
だから、否定の言葉はかけなかった。

「自然、彼女に仕掛けられている術式…並大抵の努力では解除できまい。
 理論、詠唱は全て完成している。後は人員を集めるだけだ」
「何をするつもりだ?」
「当然、『黄金練成(アルス=マグナ)』だ」

フィアンマは、アウレオルスの宣言を恐れなかった。
全て紡ぐには何千年もかかるでろう詠唱を全て終えたその時、『黄金練成』というものは力を持つ。
神様にすら至る術式。世界を、想像したままに変化させるもの。
魔術師としてでなく、錬金術師としての頂点に至った者が手に入れられるもの。

「詠唱には何千年もかかるだろう。呪文同士をぶつけて相乗効果の加速を狙っても、最低三百年。
 何処で人手を集めるつもりだ。何も知らない市街地の人間でも駆り立てるつもりか?」
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