過去ログ - 優希「京太郎……なんでなんだじぇ……!」
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101:この酉すでに解析ずみの奴ですね……  ◆0It35b3PanmG[sage]
2014/01/21(火) 23:36:28.80 ID:dNTPM26E0
>>92 修正

俺たちが立っている側と反対の通路の端、そのここから少し左に目をやったところに設置されているベンチに、違和感の正体は座っていた。

そう、つまり人であったのだ。

俺の本能に働きかけるほどの影響力を、この風景のちっぽけな一点でしかない一人の人が持っていた。

それは、シャーロック・ホームズのような帽子とコートを着用した、探偵風の人物だ。

新聞で姿を隠しながら、こちらを探っている……

……つもり、なんだろうか?

だが、俺がそいつの被っている帽子の形まで知ることが出来たことからも分かるように、そいつは姿なんてまったく隠せちゃ居ない。

いろいろと粗末な所はあるが何よりも、新聞の持ち方が下手だ。折り曲げてではなく、ぴんと張るようにして持っている。あれじゃ、ちょうど真正面からの視線しか防ぐことは出来ない。

新聞によって視界が制限されることで一種の隠れ家に篭っている気分になり、安心しきってしまっているであろうあちらにはむしろ分からないかもしれないが、角度的にこちらから姿が丸見えなのだ。

流石に顔まで見ることは出来ないが、十分だった。

……探偵風の服装をしていて、尾行が絶望的に下手であるということ以外に、そいつの特徴をあげるとするなら、それは……

とても長くてきれいなピンクの髪と、コートの上からでも分かる程のおもちをおもちである、ということだろう。

……なあ、俺の目はおかしくなっていないよな。ならあそこに居る奴が誰かは、俺も知っている……

いや、来ないとは思っていなかった。むしろあの時、咲の勝利で対局が終わった際の、皆の暗雲立ち込めたような表情を見て、これは何かが起こるはずと確信していたくらいだ。

でも、これは流石にちょっとなあ……

他に何か手段は無かったのか……

京太郎「はあ……」

咲「……?」

京太郎「和……何やってんだよ、あいつ……」

咲「……え? 和ちゃん?」

こんなお間抜けな尾行をしていたのがあの和だと、少し信じたくない俺だったのである……



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