過去ログ - モバP「いいお酒が手に入ったので」その2
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10: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2014/01/20(月) 21:54:55.07 ID:O+xjgGUK0

 凛ちゃんも直球をズバッと。

楓「うーん……理由を聞いても、いい?」

 凛ちゃんは『もやもやした』と言った。自分でも釈然としない気持ちがあるのだろう。
 少しでも拾うことができたら。

凛「んっと。あの、ね? 楓さんとブルーエやって、地力が上がってるって前に言ったことあるよね」

楓「うん」

凛「自分を高めていくことで、楓さんが安心して引退できるようにって。そういう気持ちはもちろんあるんだけど」

凛「でも今こうして自分が高まっていくのは、楓さんの力も大きいのかな、なんて」

凛「そんなことも考えたりして」

 なるほど。
 私を安心して引退させようというのは、このユニットを組んだきっかけ。
 でも、やっていくうちにいろいろ気が付いたのか。

楓「私も凛ちゃんと組んで、こんなに自分がやれるんだって、びっくりしてる」

凛「うん、だから……」

楓「だから?」

凛「なんか、欲が出ちゃって……あはは」

 彼女はやや苦々しい笑いを浮かべる。

凛「ブルーエも、トライアドも。もちろんソロも」

凛「全部って。やれるものを全部って」

 アイドルとして、それはとても望ましいことだと思う。
 欲しいものを全部。
 望まなければ、叶わないのだから。

楓「そっか。うらやましいな」

楓「でも、引退撤回と訊かれれば、答えは」

 私の望むものは。

楓「ノー、かな」



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