過去ログ - モバP「いいお酒が手に入ったので」その2
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24: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2014/01/27(月) 17:05:49.98 ID:UOc0Vzt50

 気まずさを抱えながらも、世間話でごまかす。
 凛ちゃんは思うところがあるのか、「今日は帰るね」と、途中で別れる。
 秋色が日増しに濃くなる。夜が肌寒く感じられるようになってきた。

楓「あ」

 いつしか、私の足は事務所に向いていた。

楓「明かり、ついてる」

 いつもの階段を上り、ドアを開ける。
 中ではスタッフが、いつ終わるともわからない仕事をこなしている。

楓「こんばんは」

P「おや、楓さん」

 スタジオからまっすぐ事務所へ戻っていたあの人が、声をかける。

P「今日は直帰じゃなかったですか?」

楓「ええ、そうですけど……なんか、来たくなっちゃって」

 なんとなく、という気持ちはほんと。あの人の顔を見たかったのだ。
 あの人は、キーボードの手を止めて私を見つめる。

P「……」

楓「あの。Pさん?」

P「……よっしゃ。今日の仕事終わり」

楓「え?」

P「楓さん、これから呑みに行きませんか。大将のとこへ」

楓「え、ええ……」

 ぱたん。ノートパソコンのふたが閉じられる。
 とまどう私をよそに、あの人は帰り支度を始めた。

 それが私を慮ってのことと気づいたのは、大将の店に行く途中のことだった。



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