812: ◆HYvP9smHgsVn[saga]
2014/05/03(土) 23:54:13.27 ID:SQ3kI+bJ0
ほむら「人間は、自分で思っているほど自分自身の事を決められないという事です」
ほむら「鹿目さんにも、キャラというか、そういうのがありますよね?」
まどか「キャラ……うん……そう、だね」
ほむら「そしてそれは、鹿目さんが作ったものではない」
ほむら「みんなの、それこそあなたが今までの人生で出会った何百、何千もの人々の」
ほむら「あなたへの”認識”が元になっている」
ほむら「あなた自身によって決められた部分なんて、果たして毛ほどもあるのでしょうか?」
まどか「それは……」
ほむら「勿論、それが悪いなんて言いません」
ほむら「人間は誰かに認めてもらわなければ、人間になれない」
ほむら「もし生まれたばかりの赤子を誰とも接触させず、言葉すら与えなければ」
ほむら「他者の”認識”を徹底的に……可哀想なんて言葉では言い表せないぐらい徹底的に取り除いたなら」
ほむら「その人間は純然たる無個性、個性で個人を判別する人間では認識すら出来ない、数字上でしか存在を表せない」
ほむら「大凡人間とは呼べない存在になってしまうでしょう」
ほむら「……結局のところ、”自分らしさ”なんてものは他人の認識でしかないのです」
まどか「それは、そう、なのかな……?」
まどか「それに、それが佐倉さんとどう繋がるの?」
ほむら「……全ての悪心が消えた今の佐倉さんには、”佐倉さんらしさ”なんてものは欠片も残っていません」
ほむら「それはつまり、生まれたばかりの赤子と同じ」
ほむら「今この瞬間、周りに居る人々が”佐倉さんらしさ”を決めてしまえる状態なのです」
ほむら「周りが天使だ天使だと言い続ければ……」
ほむら「彼女は見た目だけの似非天使から、本当の天使になってしまうでしょう」
ほむら「それこそ中世で、人々の不満の捌け口として”魔女”が生まれたように」
ほむら「押し付けによって生まれた”新たな命”が悲劇で終わるのは、歴史のお約束なんですけどねぇ……」
まどか「……そう、だね……」
まどか「……なんか、不安になってきちゃった」
ほむら「ああ、すみません。怖がらせるつもりはなかったのですが……」
ほむら(尤も、少しは怖がらせといた方が良いのでしょうけど)
ほむら(経験上、妖精さんの手から離れてしまったトラブルって、ろくな事にならないんですよねぇ)
ほむら(事態だけがやたらに大きくなり、終わる時には何もかも巻き込んで倒壊する)
ほむら(妖精さんの加護がなければ、その被害がどれほど大きくなるか)
ほむら(……想像するのも、嫌になりますね)
……………
………
…
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