13: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/01/20(月) 19:16:14.85 ID:lC4fHmx5o
「……また、Pさん怒鳴られてるよ」
「課長もむちゃくちゃだからなぁ……。Pさんには悪いけど、あの役目が俺じゃなくてよかったよ」
周りの同僚から、そんな声が聞こえる。ああ、おっしゃるとおりですとも。所詮は契約社員上がりの正社員だ。同僚に比べると給料も能力も、二回りは落ちる。
「良いか、プレゼンの時間は午後からだ。それまでにもっとまともなものを作っておけ、この木偶っ!」
『……はい、分かりました。失礼します』
俺は頭を下げると、投げ捨てられた資料を拾い、自分のデスクへと戻る。座るときに、対面の同僚と一瞬目があうが、ささっと逸らされた。
そしてそのあと、のしのしと課長が部署を出て行くさまが、俺の視界に映る。道行く人に指をさしながら指示を出している様は、格好は付くがどこか滑稽にも見えた。
(まあ、いわゆるパワハラってやつなんだろうなぁ)
俺は背もたれに少し背中を預けると、天を仰ぎ、少し虚空に目を泳がせる。そうして、五秒ほどの短い休息を取ると、椅子を立って少し離れたデスクの同僚に声をかける。
437Res/257.85 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。