30: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/01/28(火) 20:00:40.52 ID:evpz73Bjo
「申し訳ありませんが、当プロダクションはまだ稼働前ですので。要件は何でしょう?」
『ああ、その、えっと。うちの部長から、その、書類を預かってまして。で、渡して来いといわれたんですけど、その』
いきなりのことでまだ動揺が隠せずにいた俺は、そんなしどろもどろな調子で彼に説明する。すると、
「もしかして、大手プロダクションの方ですか?」
と彼は尋ねてくれる。俺はそれにこくこく、と頷きを返せば、彼はにっこりと笑い、
「少々お待ちください、社長をお呼び致しますので」
と言い残して、まだ動いていないエスカレーターを登って行った。
ひとりぽつん、と取り残された俺だったが、そのまま何をするわけでもなく、じっとそこで待っていると、やがてさっきの男性と、また別の中年男性がやってくる。
中年とは言うものの、活力にあふれ、自信に満ちている様子がありありと分かる。この人が社長か。そう直感的に分かるほど、何と言うか、纏っているオーラが違う。
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