36: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/01/28(火) 20:05:03.57 ID:evpz73Bjo
そこで、廉価自販機の80円コーヒーを一本購入し、砂糖の塊を少しずつ喉に流し込んでいると、
(……ん?)
ふと、目に留まった存在があった。俺より幾分か若いだろうなぁ、と思われる少女。俺が好色というわけではなく、何というか風貌が少し変わっているというのだろうか。
コートを羽織っているものの、この真冬に丈の短いホットパンツと首元が開けたブラウスを着ているだけである。
にもかかわらず、寒そうにしている素振りなどはない。色白の肌が、余計に彼女の格好を際立たせていて、見ているこちらが寒くなりそうだ。
そして、大きなキャリーバッグに腰かけている様子は、誰かを待っているか、ただぼーっとしているだけか良くは分からない。
(……なんだ、まるで俺が変質者みたいじゃねえか)
というよりまるきりそれであろう。年端もいかない、というには成熟してはいるが、ともかく道端で女性を凝視するような男がいたら、職質からの任意同行コンボが炸裂する。
そこから下手をすれば書類送検という、無慈悲な一撃が叩きこまれるのかもしれない。良くは分からないが。
(疲れてんだな、そうに決まってる)
何とも不思議な雰囲気を醸し出しているその少女のことを、頭の隅に追いやっては、俺は自分の会社へと歩を進めた。
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