41: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/02/03(月) 16:15:39.43 ID:FaSxPE4yo
『……あぁ、いい加減、勘弁してほしいよなぁ』
それを本人の前で言う度胸はないが、愚痴ぐらいは許してほしい。そう思いながら、すでに九時を指そうとしている時計を見上げ、大手プロダクションを後にする。
今日は幸いにも残業がない――正確に言えば、課長がいないので無理に課せられる残業がないため、こんなに早くに帰れると言うわけだ。
もっとも、社会一般的には大変遅いわけだが、これは無理に課せられたわけではない残業をこなしていたからだ。
(……仕事があるのは結構だけど、やりがいが、欲しいなぁ)
内心、そう思う。正直、時間さえ掛けていいなら、そこらへんの高校生でも捕まえてでも出来る様な仕事である。
俺にとってはもう慣れた仕事だから、お茶の子さいさいというやつなんだが、それでも単純な作業ってのはこう、精神に来る。
そういえば昔どっかの国には、延々と木の数を数え続ける仕事や、石ころをただ積み替えては元に戻す仕事があったなあ。ありゃきっと、拷問の一種に違いない。
やれやれ、と首を二、三回鳴らし、そこでふと思い出す。
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