過去ログ - 穂乃果「私達のラブライブは!」海未「まだまだ続きます!」ことり「その九だよ!」
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◆FIuKjC.mTI
2014/01/25(土) 00:11:18.43 ID:/1dsc3Nwo
竹取物語破壊猫編 6
「真姫ちゃん。」
私が「先輩」の胸に頭を埋めて泣いているとき、1人の同級生が声をかけてくれた。
「あのね、真姫ちゃん。なんで凛が、栞にしようって言ったか分かる?」
「だから、それはしなしなになったり折れたりするのが嫌だからって……。」
「ううん。ほんとはね、違うの。」
そう言うと、黄色の花が押された栞を空に向かって掲げた。
「栞ってね、『死』を『織る』んだよ。『死』を受け止めて、その気持ちをぎゅーっと中に織り込むの。」
何も考えていないようで、実は出来うるかぎりの考えをめぐらしていた同級生は、こちらを向いてにへらと笑う。
「けっこうこじつけだとか思ったでしょ?ごめんね、凛がからっぽの頭で精いっぱい考えたもんだから、さ。」
「でもね、あの時の真姫ちゃん、ずーーっとふさぎ込んでたし、早く立ち直って貰わないと悲しい、じゃなくて、えっと凛に勉強教えてくれる人がいなくなるし?」
バカね、本音と建前が逆よ。
でも、そんなバカを見てたら、いつの間にか涙も引っ込んじゃった。
「あっ、やっと笑った。」
「にこちゃんは、真姫ちゃんが笑ってるのが好きだったんだから、ね?泣いてちゃ、にこちゃんも泣いちゃうよ?」
「それに、真姫ちゃんもにこちゃんの笑顔、だーいすきだったんでしょ?」
こくり。
そうよね、『先輩』と一緒にいるときは、笑顔じゃなきゃ、だめよね。
「なんか、吹っ切れたわ。ありがと、凛。」
「大したことしてないにゃ〜。」
そんなことを言いつつ、してやったり顔で顔が少し緩んでる凛を横目に見ながら、私は1枚の栞を『先輩』の墓に供えた。
これを置いてしまうと、永遠に別れるような気がして、ずっと置けなかった栞。
そこには、赤ではなく、桃色の花が押されていた。
――これは、貴方が持っているべきよ。でも、時期が来たら……にこに、渡してあげて――
……時期が来るまで、2年。けっこう、かかっちゃった。ごめんね、『先輩』。
私は、もう1度お墓に向かって拝むと、「先輩」と同級生の元へ駆けて行った。
強い、風が吹いた。
振り返ると、あの栞はもう、無かった。
桃色の花は、花の交換の言いだしっぺの『先輩』の元にちゃんと届いたかな。
頼んだよ、風。
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