過去ログ - 非日常も悪くないと思える今日この頃
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29:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/02/15(土) 20:50:45.43 ID:BwH208Lv0

「宗助君、悪いが家探しは一人でやってくれ、私たちは少しこの国はなれるから」

いきなりの事についていけない、と心の中で思う。
だが探すも何もこの世界に家がない場合はどうすればいいのだろうか…どう説明したものか。
そう悩んでいると腕を勢いよく引かれ、思い切り引き締められる。
横を見るとアンジーが腕を掴んでいた。

「ど、どうしたの?」

春がそういって無理に放そうとする。
が、一向に離れる気配がない。

「お、お兄さん、一緒に行かないの?」

「え?…うん、行かないと思うよ?」

そういうとアンジーの目から光る何かが落ちた。
それは間違いなく涙だった。

「え?ちょ!…えぇ?!」

どうしたらいいかわからない、と慌てる宗助。
だがアンジーは横からの言葉ですぐに泣き止んだ。

「宗助君も一緒に行くよ」

先程とは言ってることが違いやしませんか燐火さん。
もう何が何だかわからない。

「すまない、やっぱり一緒に来てくれ…このままじゃらちが明かない」

小さい声で耳元で燐火がささやいた。
本当に何が何だかわからない。
でも断る理由も、ここでお別れ、はいさようなら。と言われてもどうしたらいいかわからないので
無言で頷きそれを了承した。

「ありがとう、じゃあ…まぁ出発は明日、それでいいかい?アンジー」

先程までの涙が嘘のように(嘘じゃないと言ってほしい)笑顔のアンジーが元気よく頷く。
この年でこの少女、いや、彼女は女の武器を手に入れてしまっているのだろうか。
そんな宗助の心の中など分かる筈もなくうれしそうにこちらを見ている。


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