過去ログ - 非日常も悪くないと思える今日この頃
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8:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/21(火) 18:59:50.94 ID:ERju8Ek50

それからの記憶はなく、俺は目を覚ますとベットの上で寝ていた。
起きて辺りを見回すが誰もいない。
だが部屋の外から何やら物音が聞こえてくるのでベットから出て部屋の外へと出て行った。

ドアを開けると腰のあたりまで長さがある薄オレンジ色の髪をした女性が首を小刻みに横に振りながら鼻歌を歌って
フライパンを振っていた。

「やぁ、起きたかい、少年」

音を立てた覚えはない。
極力息を殺し、音を立てず気配を消していた。
彼女の前に鏡や姿が見える者は一切ない。
なのに何故、俺の事が分かったのか。

「ん、なんでわかったか気になっちゃう?」

ここまで彼女は一度もこちらを振り向かずにずっと料理をしている。
なのに何故?顔に出ていたとしてもこちらを振り向かない限りわかるはずないのに。

「魔力だよ〜、どうやら少年は魔力の使い方を知らない、または忘れているようだね」

ここでようやく彼女はこちらを振り向いた。
ついでにお玉をこちらに突き出してポーズをとった。
お玉からはほんのりあったかい液体が頬に架かったが気にしない。
「少年」その呼びかけに覚えはある。
この声にも。
あの時の空で助けてくれた人だ。
俺は一礼して先程の例を述べた。

「さ、先程はどうも…です」

「別にいいよ〜、お腹減ってない?今ね〜さっき森で取ってきた鹿を焼いてるんだけど」

「鹿?!」

「あ、嫌いだった?」

「い、いえ、食べたことないので…少し驚いて」

「あぁ、都会の人?そりゃたべないか〜あははは」

「ま、ためしに食べてみなよ、おいしいからさ」

彼女はそういって指をパチンッ、と鳴らす。
瞬間、何もなかったテーブルの上にはテーブルかけがあらわれ、もう一度指を鳴らすとお皿が数枚とお皿の中に
湯気が上がっている食べ物が現れた。

「さぁさぁ、座って座って〜少し作りすぎたけど、男の子だし大丈夫だよね?大丈夫か!」

自問自答、さすがに多いかな、と思っていたがこれは何が何でも間食せねばならない。
助けてもらったのに残すなんて俺の中の何かが許さないからね!
両手をあわせて…

「いただきます!」

「召し上がれ!」


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