過去ログ - 貴音「私は、アイドル」
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16:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/21(火) 22:57:31.72 ID:wTtaWsb20


記憶を頼りに、その場所へと向かう。
幼少の頃に連れて来られたきりの場所は、周囲の近代的な建造物と異なり、あまり変わった様子は見受けられませんでした。
しかし、そのどれもが、あの頃より小さく見えるのは、きっと私が成長したという証なのかも知れません。

「貴音…」

驚いた様子の父が、目を見開いています。
無理もないでしょう。
お久しぶりです、といった声が震えそうになるのをこらえました。

「どうしてここが分かった?」

さあ、何故でしょうか。
私にも良く分かりませんでしたので、とっぷしぃくれっと、とだけ言っておきました。
まさか、着てくれるとは思わず、私は今にも泣きそうな顔になるのをこらえていました。
言うべき言葉を見つけられずに、しばらくの間、無言のまま向き合っていました。
来てくれた事に驚き、ポツリと呟くと、父は頷きました。
まだ、私は、帰るわけには行かない。
そう、まだ、道半ばなのです。
高みは目指せども目指せども、まだ先にあるようです。
そもそも、頂上があるかも分からない。
ですが、私は見てみたい。
それが果たせるまでは、帰るわけには行かない。
そう言うと、父は、また、黙って頷くだけでした。




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