過去ログ - 八幡「やはり俺の嗜虐心は間違っている」結衣「しがくしん?」
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51: ◆3svf9ywuI.[saga]
2014/01/22(水) 19:13:25.05 ID:P2WNBJ1V0



小町「えっ」



 一瞬、動きかけたドアノブがぴたりと止まる。もちろん、俺が動かないように押さえてたこともあるが、小町の中で一気に葛藤が膨れ上がったのもでかい。



八幡「………」



 俺は、黙る。ただひたすらに。

 それは、獲物を狩る肉食動物のように、ジッとチャンスを待ち続けるのである。


小町「や、やだなぁ。いきなりそんなこと言われたら小町困っちゃうよー」


 声の震えからして困るってレベルではないと思うが。

 それにしても、肉食動物というのはいかに楽な立場にあるのか分かるな。


 例えるなら、小町の立っているのはサバンナにある豊富な餌場。もしくはオアシスと言ってもいい。

 そこで草食動物小町は餌を美味しそうにもふもふもふもふ食べている。……うぁ、可愛いすぎ…。

 ここからは葛藤との勝負だ。

 美味しい餌をこのまま食べ続けるか。

 それとも肉食動物を恐れてその場を逃げ出すか。

 だが、現状肉食動物が視えない状態で何の根拠もなく逃げ出すことなんてできない。


 だから、きっかけを求める。


 彼ら草食動物が広範囲を見るために目を横につけ、いつもキョロキョロと周囲を見回す理由は天敵である肉食動物から逃げるためではない。



 ―――きっかけが欲しいのだ。



小町「な、なーんも言ってくれないのは小町的にポイント低いなぁあははー」


 ほーら、草食動物小町がひんひんときっかけを欲しがっている。

 だがしかし、肉食動物八幡に隙はないのだった。




八幡「……好きだ。小町」



 ―――グイィイイ!!


 ドアノブが一気に引き下ろされそうになる。



八幡(くっ、俺の反射神経なめんなよっ)グググッ


小町「お兄ちゃん!? 何で開けてくれないの!?」ドンドンドン


 罠にかかった草食動物に―――逃げる術はない。


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