過去ログ - 忌もうと「お兄ちゃん!」
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43: ◆r/T8Hzsiiixp[sage saga]
2014/01/24(金) 22:35:01.72 ID:TZFH3wDdo
男「…ちょっと道に迷ってさ」

男「闇雲に歩いたら、偶々ここに辿り着いたってわけ」

とは言え、いつ襲ってくるとも限らない。
慎重に言葉を選びながら、少女に返事をする。

女の子「ふーん…」

少女は男を一瞥すると、後ろにある墓標に目を向ける。

女の子「そのお墓…」

男「この墓について何か知ってるの?」

この墓には誰が眠っているのか、と男が続けようとした言葉を
しかし少女が遮る。

女の子「知らない」

男「え」

女の子「でも……あたしが知る限りここ最近のものじゃないよ」

女の子「もしかしたら結構昔からあるかも」

男「そう、なのか…」

男は少し安堵する。

先ほどまで全身に渦巻いていた疑念――ひょっとして妹の墓なのではないか。
それが少女によって否定されたのだから。

男(そうだ、冷静になって調べればこの墓…かなり古い)

男(あの女の子の言う通り、結構昔……少なくとも建立から10年は経過していると見て間違いない)

男(全く……僕は何を思い違いをしていたんだ)

男(いくら記憶がないからって、この墓の下に僕の妹が眠っているわけがないじゃないか)

ホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、今度は新たな疑問が沸き起こる。



――何故、過去の自分はこの墓の前で泣いていたのか。



しかし、それを考えるより先に少女が声を掛けてきた。

女の子「ねねっおにーさん」

男「……ん?」

女の子「こんな所で立ち話も何だし、ウチに来ない?」

男「君の家?」

女の子「うん♪」

女の子「あたしの家にご招待するのだー☆」


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