過去ログ - 忌もうと「お兄ちゃん!」
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52: ◆r/T8Hzsiiixp[sage saga]
2014/01/24(金) 23:30:52.27 ID:TZFH3wDdo
男「……お、落ち着かない」

食事の後片付けをするからと居間を追い出され、
代わりに通されたのは女の子の部屋だった。

部屋の中は年相応に可愛いもの一色で飾られており、
いささか居心地の悪さを感じる。

男(流石にベッド周辺に近づく勇気はないな…)

何か暇つぶしができるものはないかと部屋を見渡すと

男「…本だ」

棚の中に所狭しと置かれた小物に混じって、1冊だけ本が収納されている。

別段何てことないのだが……不思議とその本が気になった。

男「これは……絵本?」

中身は小さな子ども向けに描かれた童話。

男「……」ペラペラ

話の内容は当然ながら小難しいものではなかった。

しかし、不思議な魅力がこの絵本から感じられた。

それは合間に挿入される水彩画に心惹かれたからなのかもしれない。

パステル調で描かれた挿絵はとても暖かみがあり、
読者の頭に新鮮なイメージを膨らませ、話を盛り上げる。

とても児童文学とは思えない逸品だ。

すっかり絵本に魅せられた男は、
女の子が部屋に入ってきたのも気づかずに何度も読み返した。

女の子「その本、面白い?」

男「…うひゃ!?」

女の子「あははっ、ごめんごめん!」

女の子「すっごい真剣に読んでたから声かけづらくって…」

男「あ、いや……それより、勝手に読んでゴメン」

女の子「気にしてないよ!だって…」



女の子「あたし、その本読めないから……」

男「……え?」


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