過去ログ - にこ「嘘吐きと出会いの春」
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1: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:17:21.75 ID:b71krqbf0
形がないものは嫌いだ。

愛とか好きとか、そういった観念めいたものはみんな私に嘘を吐くのだ。

まあ私が目指すアイドルというものは、「偶像」という概念に近い存在なのだけれど。

そのことは別として、私は「本物の偶像」になりたいのだ。



これは、夢を追い続けた少女の破綻のおはなし。

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2:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/22(水) 22:17:51.81 ID:mj781tCMo
さっき終わったのにもう建てるのか



3: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:19:15.95 ID:b71krqbf0
アイドルにふさわしいポーズってなんだろう。

私は穏やかな風の吹く屋上で頭を悩ませていた。

約束はきちんと守る性分の私は、名前も知らない相手の為のポーズを考えた。


4: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:19:45.16 ID:b71krqbf0
  「すごいなぁ……きらきらしてる」

  小さいころから四角い箱の中で舞う人間たちは、みんなこぞってアイドルと呼ばれていた。

  私もそういう存在になりたい。
以下略



5: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:21:14.40 ID:b71krqbf0
色々と足の向きを変えてみたり髪型を変えてみたり、試行錯誤を繰り返す。

先程も言った通り、私には画面の向こうに笑顔を届ける約束をしたファンが1人いるのだ。

約束は守るから「約束」の意味を持つ。
以下略



6: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:21:40.90 ID:b71krqbf0
  「わたしもあいどるになりたい!」

  夢は決まった。

  では何から始めたらいいだろう。
以下略



7: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:22:17.69 ID:b71krqbf0
するとそんな光景を目にして、数人の少女が私の前に現れた。

聞けば彼女たちもアイドルになってみたいそうだ。

それに舞い上がった私は、彼女たちを喜んで歓迎した。
以下略



8: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:22:54.02 ID:b71krqbf0





以下略



9: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:23:29.05 ID:b71krqbf0
  むかしもそうやって、かのじょたちはわたしにうそをついた。

でももう大丈夫、昔とは違うんだから。

  ほんとうにそうかな?
以下略



10: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:24:19.48 ID:b71krqbf0
私は物事の暗い面に目を向けたくなかった。

過去の失敗の原因は、他の子に無理強いしたせい。

大人になった私は、心配性な子どもの私を胸の奥にしまいこんだ。
以下略



11: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:24:51.12 ID:b71krqbf0




「ほんとうにだいじょうぶ?」
以下略



12: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:26:16.33 ID:b71krqbf0
アイドル研究部。

部員も足りたしやる気もばっちり。

失敗なんてするはずがない。
以下略



13: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:26:51.96 ID:b71krqbf0
  あれはみんながこどもだったからよ。

今はみんな真剣だ。

得意げに子どもの頃の私に言ってやる。
以下略



14: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:27:53.66 ID:b71krqbf0
当然終わりも早かった。

どこかみんなとのズレを感じずにはいられないダンスレッスン。

明らかに向上心の見えない発声練習。
以下略



15: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:29:34.20 ID:b71krqbf0
制服の袖で乱雑に目をこすり、気にしないようにする。

私も舞い上がりすぎていたせいもあるのだ。

悲しみの原因の矛先は自分に向いていた。
以下略



16: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:30:24.64 ID:b71krqbf0





以下略



17: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:31:37.23 ID:b71krqbf0
なんて、強がってみた。

やっぱり悲しいものは悲しかった。

嘘を吐いた彼女たちを憎むわけではない。
以下略



18: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:32:03.88 ID:b71krqbf0
  ほら、だいじょうぶじゃなかった。

子どもの頃の私が今の私に語りかける。

いや、子どもだったのは私の方だ。
以下略



19: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:32:39.26 ID:b71krqbf0





以下略



20: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:33:34.31 ID:b71krqbf0




アイドルを軽視した彼女たちを恨むつもりは本当に、心の中にひとかけらもない。
以下略



21: ◆eyH5F3DPSk
2014/01/22(水) 22:34:00.90 ID:b71krqbf0
小学校の頃も似たようなことがあった。

アイドルになりたい、といえば寄ってくる人間もたくさんいた。

一緒に頑張ろうね、なんてことを笑いながら言い合った。
以下略



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