8:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/26(日) 02:04:44.85 ID:KbBLsyHV0
歌鈴に背を向け、肇を労わる。
背を向けていて、歌鈴の見ているものなんて全く分からない筈なのに、歌鈴は俺を見つめ続けていると断言できる。
周囲を取り巻く野次馬共の視線とは明らかに違う、背中に穴が開いてしまうんではないかってくらいに、俺の背中を歌鈴が見つめている気配を感じる。
それに気づかない振りをする。
理由は無いけれど、振り返ってはいけないと思った。強いて言うならば直観だろうか。
歌鈴とは違う意味で、光の宿っていない肇の瞳を見つめる。
日本人らしい美しく真黒な瞳は、風前の燈火の様な儚さの中で一層魅力的に感じる。
その瞳に反射した俺の顔を覗き込む。
そこに映った表情は、怒りでも不安でも無いと思った。
疑問だ。
歌鈴が今何を考えて、どうしたいのか、俺の凡庸な脳では答えを導き出せない。
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